30年の舵取り|モデルの根拠
どの政策が、何に、どのくらい効くのか。ゲームのコードに書かれている式と係数を、そのまま書き起こした一覧です。
このページの位置づけ。ここに載せた係数は、学術研究の推定値ではありません。作り手が、方向(上がるか下がるか)と大きさの目安として置いた仮定です。したがって結果は、予測ではなく、この仮定のもとでの「もしも」の描写です。
各政策の金額は2026年の円で表し、名目GDPに比例して拡大します(名目GDP 620兆円を基準)。「兆円」は年額です。
1. 1か月ごとの計算の流れ
金利は年8回/予算・制度は4月/最低賃金は10月→ 出来事
災害・有事・危機→ 技術(AI・核融合)→ 財政・需給ギャップ→ 成長・雇用・賃金→ 物価→ 為替・長期金利・株価→ 人口
毎年4月→ 4人の暮らし
同じ「世界の条件」なら、出来事と市場の揺れは毎回同じです。政策を変えたときの差が、そのまま政策の効果として読めるようにしています。画面の点線は「現行の政策のまま」の同じ世界です。
2. 2026年4月の出発点
歳出の基準(社会保障 38.3、地方交付税 18.9、文教・科学 5.5、その他 9.5兆円)と、税収の基準(消費税 25、所得税 22、法人税 18、その他の税 13、税外 9兆円)は、概数のまとまりとして置いています。消費税の25兆円は、輸出企業などへの還付を差し引いた純額です。
この節の値と、第3節の「現行値」は、ゲームのコードの INIT ブロックにまとめてあります。年1回の更新は、このブロックを書き換えて行います(手順は「更新手順.md」)。更新したときは、この節も同時に直します。
3. 政策パラメータ → 影響の一覧(26項目)
| 政策(現行値) | 効く先と、コード上の大きさ |
|---|---|
| 金融 | |
| 政策金利現行 0.75%/年8回の会合で変更 |
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| 国債の買い入れ現行 月2.5兆円/翌月から |
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| 物価目標現行 2%/年8回の会合 |
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| 財政・給付(4月の新年度から。2月までに決めれば同年4月) | |
| 子育て支援の上乗せ現行 0兆円 |
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| 学び直し・職業訓練現行 0.5兆円 |
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| 公共事業・防災現行 6兆円 |
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| 研究開発現行 4.5兆円 |
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| 防衛費現行 GDP比2.0% |
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| 低所得者向け給付現行 0兆円 |
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| ベーシックインカム現行 なし/月1万円で年14.4兆円 |
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| 大学の無償化現行 なし/全額で年2.5兆円 |
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| 財政ルール現行 なし |
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| 税(消費税は法改正の1年半後の4月。ほかは次の4月) | |
| 消費税率現行 10% |
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| 所得税の累進現行 0(−3〜+3) |
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| 金融所得課税現行 20% |
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| 法人税率現行 23% |
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| 炭素税現行 なし |
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| 社会保障(4月の制度改正から) | |
| 社会保険料(本人負担)現行 15% |
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| 年金の給付水準現行 現役収入の61% |
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| 年金の支給開始年齢現行 65歳 |
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| 高齢者医療の自己負担現行 1割 |
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| 労働・エネルギー | |
| 最低賃金の引き上げ率現行 年+4%/毎年10月 |
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| 外国人労働者の受け入れ現行 年25万人(純増) |
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| 解雇規制現行 0(−2〜+2) |
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| 定年現行 65歳 |
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| 原発の電源比率現行 8%/年2ptずつ変化 |
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4. 出来事の確率と影響
| 出来事 | 起こりやすさ(平常の場合) | 影響のしかた | 政策で変わる点 |
|---|---|---|---|
| 南海トラフ巨大地震 | 30年以内に 約50%(少なめ20%/多め80%)。最大1回 | 被害の蓄積、需給ギャップ −4%、生産能力 −4%、公共資本 −6% | 公共事業・防災で被害を最大30%軽減。復興予算は10/30/60兆円から選ぶ |
| 首都直下地震 | 30年以内に 約70%(少なめ45%/多め85%)。最大1回 | 南海トラフと同じ式。規模は0.55〜0.75(南海トラフは0.8〜1.0) | 同上 |
| 地方の大きな地震 | 年22% | 被害・景気への影響は小さい。補正予算 約3〜4兆円で自動対応 | 防災で被害を軽減 |
| 豪雨・洪水 | 年8%。温暖化で年々増える(30年で約2.2倍) | 地方の地震に近い規模。補正予算 約3〜4兆円で自動対応 | 防災で被害を軽減 |
| 猛暑 | 年5%。年々増える(30年で約2.5倍) | 物価の押し上げ。1兆円の補助で自動対応 | 原発・炭素税・核融合で影響が軽くなる |
| 感染症 | 年3%。最大2回、間隔10年以上 | 対面の仕事(飲食・観光・介護)の失業、需要の落ち込み | 行動制限と給付の3段階(40/20/5兆円)から選ぶ |
| 台湾有事 | 現在は0%(起きない設定)。プログラム上の元の値は年0.6%(30年で約15%)、最大1回 | エネルギー価格の急騰、株価下落、需要・生産の低下 | 防衛費で衝撃を最大30%軽減。補助は0/10/30兆円から選ぶ |
| 中東の戦争 | 年3.5%。最大2回、間隔5年以上 | 原油・ガスが数年にわたり高止まり(長引く衝撃) | 原発・炭素税・核融合で軽減。補助は0/5/12兆円から選ぶ |
| 資源高 | 年3% | 原油の短期的な急騰 | 同上。補助は0/3/8兆円 |
| 世界同時不況 | 30年に1〜2回 | 世界の需要が落ち、円が買われ、株価が急落 | 経済対策は0/10/30兆円から選ぶ。利下げ・為替介入は随時 |
「起こりやすさ」の切り替え(少なめ/平常/多め)は、年あたりの確率を0.6倍/1倍/1.5倍にします。南海トラフと首都直下は、30年間の確率として別に引いています。南海トラフと首都直下の確率は政府の長期評価を参考にした値で、ほかは作り手が置いた値です。
5. 「世界の条件」で選べるもの
| 項目 | 選択肢と中身 |
|---|---|
| AI・ロボットの普及 | 普及が半分に達する「技術の進み」の位置が、ゆっくり=2050年相当、標準=2041年、急速=2034年(研究開発の額で前後する)。普及すると、事務・製造の職が置き換わり、成長率は最大 +1.2pt/年 |
| 核融合の実用化 | 遅い=2058年相当、標準=2047年、早い=2039年。実用化すると、資源価格のショックが半分に、エネルギー自給が大きく上がり、円が買われやすくなる |
| 災害・有事の起こりやすさ | 少なめ/平常/多め(上の確率の0.6/1/1.5倍) |
| 世界の筋書き | A/B/C。同じ確率でも、出来事が起きる時期の抽選結果が変わる |
| 米国の金利 | 低め 2.5%/標準 3.5%/高め 5.0%(日米の金利差を通じて、円相場に効く) |
| 国債市場の厳しさ | 寛容/標準/厳しい。債務が対GDP比260%を超えた分100ptあたり、長期金利に1%/2%/4%が上乗せされる(日銀の保有が多いほど弱まる) |
6. 4人の暮らし
抽選:年齢(10代・20代・30代・40代から一人ずつ)、性別、地域(都市52%)、学歴(大学進学の目安は男性60%、女性56%)、業種、雇用形態、賃金、結婚、子ども、持ち家は、統計の割合の目安から抽選します。
失業:毎月の離職確率は、6つの要因の合計です。通常の離職(業種別)、自動化、景気の悪化、感染症、最低賃金、製造業への資材高と円高。いちばん大きい要因が、4人の「できごと」欄に理由として出ます。
暮らしの余裕:目標値 = 46 + 30×tanh(余剰÷必要額÷0.5) + 14×tanh(資産÷1,500万円) − 失業中12 − 物価上昇率3%超の分の150倍。毎月、目標に2割ずつ近づきます。
賃金、雇用形態、婚姻の割合の表は、統計の目安として置いた値です。出典を付けた表への置き換えは、これからです。
7. 採点のしくみ
4つの分野を、それぞれ「現行の政策のまま」と比べます(現行のままなら各250点、合計1,000点)。
- 経済:2056年の実質GDPの比
- 暮らし:4人の実質資産の合計と、暮らしの余裕
- 安定:30年間の失業率と、物価上昇率の2%からのずれ
- 財政:2056年の政府債務の対GDP比(現行より10pt低いごとに +3点)
各分野は0〜400点(財政は50〜400点)。S 1,150以上/A 1,075以上/B 1,010以上/C 950以上/D それ未満。採点の重みは、作り手の価値判断です。
8. モデルに入っていないこと
- 原発は、便益(自給・資源高への強さ・円)だけが入っています。事故のリスクや、建設・廃炉の費用は入っていません。
- 炭素税は、物価・税収・資源高への強さに効きますが、温暖化の進み方は変わりません。豪雨と猛暑の増加は、政策に関係なく固定です。
- 防衛費は、有事の衝撃を和らげるだけで、有事の起こる確率は変えません。
- 選挙、世論、政権の交代、国会での調整は入っていません。あなたの決定は、そのまま実行されます。
- 外国人労働者の受け入れは、人口・労働力・賃金に効きますが、社会保障や教育の追加の費用は入れていません。
- 産業構造、地域差、企業の動きは、4人の業種と地域を通じた簡略な形でしか表れません。
9. マクロの式(抜粋)
コードの式を、読みやすいように書き直したものです。文字の意味は、下の凡例にまとめています。
式を開く
需給ギャップ x の目標
= 財政インパルス/名目GDP − 0.4×(実質金利 + 1.3%) − 0.6×国債市場プレミアム
+ 0.04×(実質為替の水準) − 0.09×世界需要ショック − 0.04×資源ショック
− 0.03×災害の傷跡 − 感染症 − 消費税の落ち込み + 駆け込み
x は毎月、目標に12%ずつ近づく(上限+3%程度、下限−15%)
財政インパルス = 0.9×(公共・研究・教育・学び直し・防衛) + 0.5×移転 + 補正予算
− 0.5×消費税以外の増税 − 0.8×歳出削減
(長期の平均との差が主に効く。同じ水準が続くほど、効きは薄れる)
潜在成長率 = 0.9% + 労働力の増減 + 1.2%×AI普及度 + 0.5%×核融合
+ 学び直し − 災害 − 法人税 − BI − 解雇規制 − 保険料 + 大学無償化 − 炭素税
失業率の目標 = 2.5% − 0.35×x + AI移行の失業 + 最低賃金比 + 感染症 + 保険料 + 解雇規制
賃金の伸び = 0.9×物価の基調 + 0.7×(潜在成長 − 労働力増減) + 0.4×x − 0.3×(失業率 − 2.5%)
+ 最低賃金比 − 受け入れ人数
物価の基調 = 0.5×物価目標 + 0.5×前年の物価上昇 + 0.4×x(過熱はさらに強く) + 最低賃金・人件費
物価の上昇(月ごと) = 基調/12 + 0.15×円の動き + 0.3%×資源ショック×(1 − 補助) + 消費税 + 炭素税 − 核融合
円の目標水準(対数) = ln150 + 3×(米金利 − 政策金利 − 3%) + 物価の日米差(購買力平価)
+ 0.3×(日銀保有比率 − 39%) + 財政不安(債務260%超) + 資源ショック
− 世界危機の円買い − 核融合 − 原発 / 毎月5%ずつ近づく + 市場の揺れ
長期金利の目標 = 0.3% + 0.7×政策金利 + 0.5×物価の基調 + 国債市場プレミアム
− 0.15%×(買い入れ − 2.5兆円) − 財政ルール